サラダで食中毒に!?生野菜を安全に食べるための方法とは!

「野菜不足を感じたから野菜を摂りたい!」と思ったとき、あなたならどんな料理を作りますか?

野菜たっぷりのスープ、具だくさんの野菜炒め、旬の野菜を使ったお鍋など、野菜が摂れる料理はたくさんありますよね。

しかし、調理の手間や材料費を考えると、簡単に作れる上に材料費も安く済む、サラダを選ぶ人も多いのではないでしょうか。

サラダは手軽なだけでなく、ドレッシングや具材を工夫すればバリエーションも豊富ですし、前菜にすることで食べ過ぎを防げるため、ダイエット中の女性にも人気です。

しかし、そんなヘルシーで美味しいサラダも、時に食中毒を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか?なんと、サラダをはじめとする生野菜を食べただけで食中毒になり、そのまま死亡してしまったケースがあるのです。

今回は生野菜にまつわる食中毒事件と、生野菜による食中毒を予防する方法について紹介していきます。

生野菜が原因となった食中毒事件はたくさん発生している

レタスやきゅうり、トマトなど、サラダでおなじみの野菜は生で食べることが当たり前になってきています。

しかし、『生で食べるのが当たり前の野菜』を食べて集団食中毒を起こすのは、珍しいことではありません。

野菜の食中毒で一番有名な事件は、1996年に発生した、かいわれ大根が原因とされた病原性大腸菌O157の集団感染。

学校給食を食べた児童を中心に、9000人以上の発症者を出し、そのうちの3人が亡くなり、テレビや新聞でも大きく取り上げられました。

そして、「給食に入っていた、かいわれ大根が原因かもしれない」と報道されたことで、かいわれ大根への風評被害が発生。かいわれ大根が売れなくなり、大きな社会問題にもなりました。

しかしこの事件以降、かいわれ大根の衛生管理基準が大幅に向上し、厳しい基準のもと栽培されるようになりました。

「昔のことだから衛生管理がしっかりしていなかっただけじゃない?」と思うかもしれませんが、食中毒は昔だけの話ではありません。

たとえば、2014年にも集団食中毒事件が発生しています。静岡県葵区で行われた安倍川の花火大会において、露天で販売されていた冷やしきゅうりを食べた人がO157に感染。510人の患者を出しました。

また、野菜が原因とされる食中毒はこの2件だけではありません。2000年代でも頻繁に発生しています。

発生年事件内容
2002年老後施設
宇都宮市の病院及び、老人保護施設で発生したO15による集団食中毒事件。
昼食の「香味あえ」が原因食で、ほうれん草、蒸しささみ、刻みネギ、しょうが汁などが材料であった。

具体的な原因食材は不明。
調理室内が30℃以上の高温状態になっていたことが原因と思われる。
2002年給食
福岡市内の保育園において、O157の集団感染事例。
保育園の給食にあったきゅうりの浅漬けからO157が発見されたが汚染原因は不明。

患者は90名にものぼった。
2006年浅漬
香川県の老人福祉施設で、O157による集団食中毒が発生。


43人の患者と、6名の死亡者が出た。
原因食品は老人福祉施設で提供された浅漬だと思われる。
2011年老人保健施設
栃木県の老人保健施設にて、O157とO145の混合感染が発生。
患者は老人保健施設の26名。
原因食品はなすと大葉の揉み漬けとされる。
2011年大根おろし
石川県の高齢者関連2施設で、O157の感染が発生。

患者は9名。原因食品は付け合せ、大根おろし大葉と考えられる。
2011年キュウリ
福岡県の老人福祉施設でO157の集団感染が発生。

患者は13名。原因食品は食材のキュウリと考えられる。
2012年高齢者施設
北海道札幌市でO157の集団感染が発生。
白菜の浅漬けが原因食品とされ、高齢者施設で105名、施設以外で64名の患者を出した。

また、高齢者施設では7名、施設以外では1名の死亡者が出た。

食中毒の恐ろしいところは、『何が原因かはっきりしないことが多い』という点です。問題は食材なのか調理過程なのか、具体的な原因がわからないので、消費者は「なにを避けたら食中毒にならずに済むのか?」と不安がなくなりません。

冒頭に説明した、かいわれ大根による集団食中毒事件も、かいわれ大根がO157の原因であることを証明する確かな証拠は見つかりませんでした。

また、冷やしきゅうりによるO157集団食中毒事件も、きゅうりが問題なのか、調理法・保存法が原因なのかはっきりしないまま終わりました。

しかし、一つはっきりしたことは、火を通していない野菜は火を通した野菜より、食中毒の危険性が高くなることです。

実際に食中毒になったとき慌てないためにも、生野菜から感染する可能性のある食中毒菌について、詳しくみていきましょう。

生野菜についてる主な食中毒菌たち!

生野菜から感染することが多い食中毒菌は、主に『腸管出血性大腸菌』、『サルモネラ』、『コレラ菌』、『赤痢菌』の4つです。

それぞれの食中毒菌が、どんな症状を引き起こし、どれくらいの期間で発症するのか、注意すべきポイントについて見ていきましょう。

腸管出血性大腸菌(主にO157) 腸管出血性大腸菌(主にO157)

病原性大腸菌とも呼ばれるもので、発生率が高い代表としてO157があります。病原性大腸菌は、動物の腸の中に存在している食中毒菌なので、家畜の糞尿に存在します。

主に、生肉やサラダなど火を通していない食材から感染します。とくに生野菜は、動物の糞を肥料にしていることが多いため要注意です。非常に感染力が強いため、菌が少しいるだけでも腸管出血性大腸菌感染症を発症します。

腸管出血性大腸菌は、『ベロ毒素』と呼ばれる強い毒を排出し、その毒素が腹痛と下痢、血便など、様々な症状を引き起こします。

菌に感染してから症状が出るまでの期間は1~10日。

成人であれば、無症状や軽い下痢で済むことも多いですが、小児が感染すると重症化しやすく、重症化した場合は溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を引き起こして死亡する場合や、意識障害が残ることもあります。

サルモネラ サルモネラ

サルモネラとは、腸管出血性大腸菌と同じく、動物の腸内に生息している菌です。

サルモネラは人をはじめとする動物の腸や、川、下水など、自然界に広く存在する菌で、様々な食材に付着しています。主に生肉や生卵、加熱不十分の卵料理、生の貝類、サラダ、豆腐などが感染源とされます。

また、犬や猫などがサルモネラを持っていることもあり、ペットを触った手から感染するケースも珍しくはありません。

サルモネラに感染してから症状が出るまでの時間は短く、4~8時間とされます。主な症状は、悪心や嘔吐、腹痛、下痢、血便、39℃以上の発熱です。とくに小児や高齢者は菌血症や脱水症状を起こしやすく、最悪の場合死亡することもあります。

コレラ菌 コレラ菌

コレラ菌とは、『コレラ毒素』と呼ばれる毒を生み出す食中毒菌です。コレラ菌によって引き起こされる症状のことをコレラと呼びます。

日本国内で発生するコレラのほとんどは、コレラ流行地域から持ち込まれた輸入感染症です。

海水を好む性質があるため、コレラ流行地域から輸入した魚介類、魚介類を生食することで感染します。また、コレラ菌がついた手で調理されたサラダやカットフルーツ、水、氷なども感染源になります。

コレラ菌に感染してから症状が出るまでの期間は1~5日。早ければ数時間で発症するとされます。

主な症状は下痢で、ほとんどの場合は症状が軽いか無症状です。

ただし、重症化すると、腹部の不快感や不安感、嘔吐、『米のとぎ汁』のような白い下痢便が症状として出てきます。

下痢による急性脱水症状が進むと、血行障害や血圧低下、頻脈、痙攣などを起こして死亡することも。

赤痢菌 赤痢菌

赤痢菌とは、感染力が非常に強い食中毒菌です。発展途上国では乳児死亡の主な原因になっていて、年間で40万人以上の小児が赤痢で亡くなっています。

赤痢菌の主な感染源はヒトやサル。主に日本人が海外旅行先で感染して、国内に持ち込む感染例が多いです。

感染者と直接接触したり、感染者が触れた生水や氷、生の魚介類、生野菜、カットフルーツなどの食べ物から感染します。

赤痢菌に感染してから症状が出るまでの期間は1~5日。主な症状は発熱や腹痛、下痢です。

健康な成人であれば症状は軽いことが多く、軟便や軽い下痢、1~2日の発熱が起こりますが、1週間程度で自然回復します。

しかし、重症化すると全身倦怠感や悪寒、40℃近い発熱、腹痛が起こり、膿と粘液と出血を伴う下痢便を垂れ流すような状態に。

症状が進むと、溶血性尿毒症症候群(HUS)や敗血症、中毒性巨大結腸症などの合併症を引き起こし、死亡する場合もあります。

生野菜による食中毒は日本だけじゃなくて世界中で!

あまりニュースや新聞では報道されませんが、生野菜が原因となった集団食中毒は世界中で発生しています。

2011年の5月22日には、ドイツのハンブルグ市を中心としてO104の集団感染が発生。ヨーロッパ全域で4000人以上の重症患者を出し、死者が49人も出るという大きな事件になりました。

O104とは、先程紹介した腸管出血性大腸菌に分類される食中毒菌です。このO104は、様々な種類の抗生物質に耐性を持っていて治療が難しく、重傷者に対してはとにかく輸血をし続ける必要があります。

この食中毒事件で感染源として最初に発表されたのは、スペイン産のきゅうりとドイツ北部産のもやしでしたが、その後感染源ではないことが判明。

次に疑惑が出た野菜は、ドイツ北部やフランスで栽培されたスプラウトでしたが、6月6日に行われた調査の結果、O104は検出されませんでした。

さらに7月7日には、エジプト産のコロハ種子が感染源である可能性が高いと発表されました。しかし、コロハ種子が感染源であるという証拠は見つからなかったのです。

『何が原因なのか?』という疑問は二転三転したものの、結局原因か特定できないまま、2011年の7月26日にドイツ政府から終息宣言が出されました。

ほかにも、2015年にはアメリカ全土で732人以上が、サルモネラによる集団食中毒を発症。原因はメキシコ産のきゅうりであるとされ、患者の半数以上が18歳未満の子供だったそうです。

この集団食中毒で、入院治療が必要になった人は150人、死亡者が4人も出る大きな事件となりました。

また、発展途上国では毎日のように食中毒が発生し、命を落としている人がたくさんいます。ニュースにならないだけで、様々な国で食中毒事件は起きているのです。

食中毒になりたくないけどサラダは食べたい!という人のための対処方法

生野菜の食中毒を予防する究極の方法は、『生野菜をできるだけ食べない』ことです。しかし、「毎日サラダを食べたい!」、「サンドイッチにレタスやトマトを挟みたい!」という人も多いでしょう。

そんな方に、とっておきの情報。生野菜を食べるときに、次の3つのポイントに気をつければ、食中毒になるリスクを下げることができるのです!

そのポイントとは『きれいな水で念入りに洗うこと』、『湯通しをすること』、『薄めた次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸すこと』。それぞれ注意点があるので、1つずつ見ていってみましょう。

綺麗な水で念入りに洗って菌を落とす

基本的に食中毒菌は動物の糞や虫、土や水に潜伏しているため、野菜の表面についています。

とくに葉の凸凹に菌が溜まりやすい葉物野菜、皮を剥かずに食べることが多いナスやトマト、きゅうりなどの果菜類には要注意。泥がたくさんついている根野菜にも気をつけましょう。

しかし適当に洗っただけでは、表面についている食中毒菌を取り除くことはできません。野菜や果物は、余分な水分や雑菌から自分を守るために、『ブルーム』と呼ばれる水を弾く物質を分泌します。

スーパーで売っているきゅうりやブロッコリーの表面が、白っぽくなっているのを見たことはありませんか?その白っぽいものこそ、野菜や果物が自らを守るために分泌しているブルームです。

ブルームが水を弾いてしまうので、食中毒菌を落とすためにはブルームも一緒にこすり落とす必要があります。たっぷりの水で流しながら、指で軽くこすり洗いをしましょう。

特にきゅうりのように凸凹が多い野菜は、イボの部分を念入りに洗ってください。洗う時間はどの野菜も30秒が目安です。

水洗いしたあとも雑菌が気になる場合は、野菜洗いにも使用できる中性洗剤を使います。説明書に書いてある通りの濃度に希釈して、新品のスポンジで洗うと良いです。

洗剤を使うのは気が引けるかもしれませんが、しっかりと水ですすげば大丈夫。

また、洗剤の洗い残しがあっても、極端な量を飲まない限りは人間の体に問題はありません。中性洗剤は口に入る可能性が高いものですので、誤飲事故を防ぐためにも『飲んだ場合の毒性レベル』のテストが行われています。

ただし、洗い残しが多いと洗剤の風味を感じてしまう可能性があります。洗剤を洗い流した後は、水を張ったボウルにしばらく浸けておくと良いですね!

湯通しをする

基本的に野菜につくような食中毒菌は、熱に弱いものが多いです。サルモネラ、O157などの大腸菌は1分間、75度以上で加熱することで死滅します。

「お湯につけたら生野菜じゃなくなっちゃう!」と思うかもしれませんが、サッと湯通ししてすぐに氷水で冷やせば、生野菜の歯ごたえを失わずにすみます。ただし時間をかけすぎると熱が通ってしまうので気をつけましょう。

レタスのような葉物野菜は、沸騰しているお湯に2秒ほど浸けて、すぐに氷水で冷やします。きゅうりであれば5秒ほど湯通ししても大丈夫です。

ただし、湯通しをする前には野菜をしっかりと水洗いしておくのを忘れずに。食中毒菌は熱に弱いですが、サッと湯通しするだけでは、食中毒菌がギリギリ生き残ってしまう可能性もあります。

「どうせ湯通しするから洗うのは適当でいいや」と考えてしまうのはNGです。湯通しする場合も、しない場合もしっかりと野菜は洗いましょう。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗う

ここで、一番確実な除菌方法として、『次亜塩素酸ナトリウム水溶液』の使用方法を紹介します。

次亜塩素酸ナトリウムとは、キッチン用漂白剤の主成分であり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液とは、キッチン用漂白剤を溶かした水のことです。

「そんなもので野菜を洗うなんて!」と拒否したくなる気持ちはあると思いますが、この次亜塩素酸ナトリウムは、水道水の消毒にも使われている殺菌成分。

また、食品添加物としても認められているため、日頃から口に入れることも多い成分です。

濃度が12%の次亜塩素酸ナトリウムを1200倍に薄めた水に、野菜を浸けることで食中毒菌を除去することができます。

ただし次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、時間がたつにつれて除菌能力が落ちるので、生野菜を洗う直前に作るようにしましょう。また、キッチン用漂白剤には、野菜の除菌に使えるものと使えないものがあるため、注意してください。

次亜塩素酸ナトリウムはノロウイルス、チフス菌、大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ菌の除菌にも有効です。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使えば、生野菜由来の食中毒菌をほぼ排除することができます。

もちろん次亜塩素酸ナトリウムを野菜に直接ふりかけたり、水溶液に浸けた野菜を十分に洗い流さないまま食べてはいけません。絶対にやめましょう。

正しく除菌するためにも、取扱説明書の内容通りに使うようにしてください。

まとめ

食中毒といえば肉や魚、貝類などのイメージが強いですが、生野菜で感染することも珍しくはありません。

野生動物が様々な菌を持っているように、自然のまま育った野菜にも様々な菌がついています。その菌の中に食中毒菌が紛れている可能性があるのです。

「日本の野菜だから安全」「有機栽培だから安心」と思わず、どんな野菜であってもしっかりと水洗いするようにしましょう。

また、スーパーの野菜でも自家栽培の野菜でも、食中毒菌のリスクは同じです。むしろ、農薬不使用の野菜ほど、食中毒菌がたくさんついていると思ってください。

「無農薬の野菜は虫が喜んで食べるほど美味しい!」と言いますが、ナメクジなどが這った跡には食中毒菌だけでなく、寄生虫がいる場合もあります。

そんな野菜を適当に洗ってサラダにして食べるとなると、ゾッとしますよね?

生野菜を食べる場合は、水洗いだけでなく、可能であれば野菜洗い用の洗剤や湯通しをしたり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使ったりして除菌を徹底しましょう。

「野菜をしっかり洗うのは面倒だけど野菜を手軽にたくさん摂取したい!」という人は、毎日の食事に青汁を取り入れてみると良いかもしれません。

生野菜はたくさんの量を一気に食べることが難しいので、効果的な野菜補給には青汁がおすすめです。

青汁に使われている野菜は、工場で綺麗に洗浄されている上に、厳しいチェックもされているので、食中毒が気になる人にも安心ですね。

生野菜からしか摂取できない酵素が配合されている青汁や、ダイエット向けの低カロリー青汁もたくさんあるので、自分の目的や好みに合わせて青汁を選んでみましょう♪

102種類以上から厳選!青汁飲み比べ徹底比較!! 実際に飲んで試した!体験レポート公開中!

管理人自己紹介

青葉しずく(アラフォー)

青汁の教科書を運営している管理者であり、日本一青汁に詳しい現役栄養士の青葉しずくです。

青汁は現代人に不足がちな野菜の栄養をしっかり補うことのできる数少ない健康飲料。一人でも多くの人に飲んでもらいたく、日々青汁の研究を続ける毎日です。

このページのトップへ