野菜がクレヨンになる!年間200トンも捨てられる廃棄野菜の再利用法とは?

スーパーで野菜を買う時、あなたはどんなものを選んでいますか?

トマトは色むらが無くて表面のツヤがあるものを、玉ねぎは傷がなくてツヤがあるものを選ぶと良い……など、誰しも野菜を選ぶ基準があると思います。しかし、スーパーに並んでいる野菜がどれも綺麗な見た目をしていることに、一度くらい疑問を持ったことはないでしょうか?

それは、収穫された野菜の中から見た目の良いものだけが厳選されて出荷されているからなのです。あなたがスーパーで綺麗な野菜を選んでいる裏では、大量の野菜たちが出荷されずに捨てられています。

捨てられる野菜の量は年間200万トン!野菜の廃棄はどうして出るの?

日本国内の野菜の年間収穫量は、およそ1300万トン。そして、出荷されずに廃棄される野菜の量は、なんと200万トンにものぼります。

廃棄される理由は、虫害や病気がひどかったり、豊作すぎて消費しきれないなど様々。その中でも、「見た目が悪い」という理由で捨てられる野菜のことを『規格外野菜』と言います。規格外野菜とは、農協が定めた『野菜の規格』から外れた野菜のことです。

農家で作られた野菜は、基本的に農協を通してスーパーやデパートに出荷されます。野菜は出荷される前に一度農協で選別されるのですが、農協には出荷できる『野菜の規格』というものが存在するのです。

農協による『野菜の規格』とは、見た目の良さと重さを基準として、出荷できるかできないかを決めたもの。

虫食いや傷があるもの、形が良くないもの、軽すぎたり重すぎたりするものは、『規格外の野菜』になるため販売することができません。S字に曲がったきゅうり、先端が2つに割れている人参などは、野菜が不作の時でもスーパーに並ぶことは無いのです。

「虫食いや傷はともかく、形が悪いだけで捨てちゃうなんてもったいない!」と思うかもしれません。しかし、規格外品がスーパーに出回ると農作物全体の価格が落ちてしまうため、農協が流通価格を調節するために仕方なく行っているのです。

規格外野菜を処分することは農協だけではなく、農家が損を出さないための方法でもあります。

収穫した野菜を出荷するためには、野菜を詰めるダンボール、野菜を運ぶ車やトラックのガソリン代など、様々な費用が必要。

しかし、規格外野菜は普通の野菜よりも安く買い取られてしまい、売れば売るほど赤字になるのです農家はできるだけ赤字を防ぐために、規格外野菜を廃棄してしまいます。

そのため、規格外野菜がスーパーに並ぶことは滅多に無いのです。

規格外になった野菜の運命とは?一般的な再利用方法

規格外野菜は、農家が自分たちで食べたり、農協に出荷せず個人で販売することもあります。しかし、どちらの方法でも規格外野菜を全て処分することは難しいため、基本的に廃棄されてしまうのです。しかし、全てがゴミとして廃棄されるわけではありません。

野菜として販売できない規格外野菜も、その一部は加工されることで再利用されます。見た目が悪いという理由で廃棄される規格外野菜ですが、潰したりして加工してしまえば、規格内野菜と比べても味や栄養に差はありません。

まずは規格外野菜の一般的なリサイクル方法を見ていきましょう。あなたも知らない間に、規格外野菜を口にしているかもしれません!

肥料になる

廃棄されることが決まった規格外野菜は、農家で『堆肥』と呼ばれる肥料に生まれ変わります。堆肥とはコンポストとも呼ばれ、野菜や動物の糞、落ち葉などを発酵させた天然の肥料です。

規格外となった野菜をトラクターなどで細かく刻んで、湿った落ち葉やモミガラ、米ぬか、家畜の糞などと混ぜて発酵させます。そして、何ヶ月も発酵させることで、規格外野菜は堆肥に生まれ変わるのです。

こうして作られた堆肥は、自然の栄養がたっぷりの肥料になり、化学肥料と比べて良い野菜が育ちやすくなっています。

化学肥料を使った土は栄養過剰で作物が育ちにくかったり、水持ちが悪くなったり、土の環境が悪くなりやすいものです。

堆肥は自然のものを発酵させて作られたため、有用な微生物がたくさんいます。土の中の栄養を微生物がゆっくりと分解し、野菜が吸収しやすい形にします。野菜に適した栄養がジワジワと土の中にしみ出てくるため、野菜が自然な形で育つのです。

飼料になる

一部の規格外野菜は家畜の飼料になります。家畜のエサは主に牧草とトウモロコシのような穀類です。

しかし、「規格外野菜を再利用しよう」という声から、にんじんや長芋などの根野菜類が飼料として再利用されています。

キャベツや白菜のような葉菜類はシュウ酸を多く含み、一部の家畜には合わないため、再利用されることは少なくなっています。

農家の近くで畜産をやっている場合は、そのまま動物たちのおやつとして利用されることもあるそうです。

野菜パウダー

野菜パウダーとは、その名の通り野菜を粉々にしてパウダー状にしたものです。原料は規格外野菜だけでは無いので、規格内の綺麗な野菜も一緒にパウダーになっています。

野菜パウダーはお菓子にほんのり風味付けをしたり、着色料として使うことができるため、食紅を使いたくない方に人気の着色料です。

野菜をそのままパウダー状にしているので、お湯で伸ばすことで赤ちゃんの離乳食や、お年寄りの介護食としても利用されます。

野菜シート

野菜シートとは、潰してペースト状にした野菜をシート状に伸ばしたものです。こちらも、規格内野菜と規格外野菜が一緒に潰されて野菜シートとして販売されています。

キャラ弁の材料としてよく利用されていますが、そのまま揚げたり、様々な素材を巻いたり、料理に彩りを与える材料としても活躍します。

野菜シートは様々なメーカーから販売されていますが、人気色は橙色(にんじん、トマト、赤ピーマン)、緑色(ほうれん草、キャベツ)、黄色(かぼちゃ)です。

野菜ブイヨン

野菜ブイヨンはその名の通り、野菜しか使っていないブイヨンです。野菜でとった『だし』と考えてもらうと良いですね。日本でも昆布だし、かつおだしなどがあるように、ブイヨンにもチキンブイヨンやビーフブイヨンなどがあります。

野菜ブイヨンは、契約農家から仕入れた野菜を全て使って『だし』を取っているので、規格外野菜も使われています。野菜ブイヨンは肉を使っていなくてヘルシーなので、ダイエット中の人や料理にこだわる人、ベジタリアンの人にも人気です。

プラスチック、緩衝材

規格外野菜がプラスチックや緩衝材に生まれ変わることがあります。

再利用される野菜は、トウモロコシやサトウキビなどのでんぷんや糖の多い野菜。基本的に食用外として育てられたものが材料として使われますが、規格外野菜が活用されることもあります。

野菜から抽出した糖類を変化させると、バイオプラスチックと呼ばれるプラスチックが生まれるのです。バイオプラスチックは燃やしてもダイオキシンが発生しない上、土に埋めることで微生物に分解されて土に返る環境に優しい素材。

また、プラスチックだけではなく、トウモロコシのでんぷんを使った緩衝材もあります。こちらも環境に優しく、土に埋めると自然に返り、ダイオキシンのような有害物質も発生しません。

さらに、水に触れると溶けるので、小さな子供が口の中に入れてしまっても、喉に詰まらず安全です。

野菜ジュース、青汁

実は野菜ジュースや青汁の原料にも、規格外野菜が使われています。スーパーの野菜はよく値段が変わるのに、野菜がたっぷり使われている野菜ジュースや、青汁の値段はあまり変化しませんよね?

その理由は、規格内野菜も規格外野菜もまるごと使われていること。ジュースや青汁用メーカーは農家と直接契約を結んでいることが多く、規格内野菜も規格外野菜も農家から全て引き取っています。

さらに、加工することで生の野菜よりも長期間の保存が可能になるため、野菜が高くなる年でも、ずっと安定した値段で販売されているのです。

捨てられる運命から一転、規格外野菜がブランドになることも!?

規格外野菜は基本的に廃棄される運命にあります。一部は加工されて再利用されますが、その場合も元の形を留めない上に、規格内の野菜と一緒に加工されることが多いため、「この商品には規格外野菜を使いました!」という風な宣伝はされません。

しかし、規格外野菜を再利用する人たちの中には、あえて規格外野菜であることをアピールして商品を販売している人たちがいます。

規格外野菜は、見た目は悪いですが味や栄養価は規格内品と差がありません。そんな『見た目は悪いけど美味しい』という特徴に、ブランドのような価値がついているのです。

では、ブランドとしての規格外野菜はどのように利用されるのでしょうか?次は規格外野菜のちょっとおもしろい使い道について見てみましょう!

規格外野菜カフェ&レストラン

規格外野菜のおもしろい使い道の一つに、規格外野菜を使っていることを特徴にしているカフェやレストランがあります。

有名なお店では、東京の代官山にあるカフェ&バール「~Mottainai Farm~Radice~」があります。規格外野菜を使った野菜中心のメニューや、サラダバーがあるカフェ&バールです。

ここは農家と直接契約をしていて、規格内の野菜から規格外の野菜まで全て活用されています。また、店頭で規格外野菜を購入することも可能です。

飲食店自体は日本全国にたくさんありますが、規格外野菜が食べられるところは中々ありません。規格外野菜カフェやレストランは「一度規格外野菜を食べてみたい!」という人や、野菜をたっぷり摂りたい女性たちに人気のスポットになっています。

規格外野菜取り放題ツアー

規格に合わない野菜は、基本的に廃棄されます。個人で売ったり、規格外品として買い取ってもらうよりも、捨ててしまった方が農家の負担が少ないからです。

しかし、農家によっては、規格外野菜が摂れるツアーを企画することがあります。『規格外野菜取り放題ツアー』を立てて参加者を募集し、自分たちで収穫してもらうのです。

参加者は少しの参加費を払うだけで、たくさんの野菜を収穫して持ち帰ることができます。農家側も、自分たちで収穫をしてもらうので、出荷の時にかかるダンボール代や輸送代を払う必要がない上に、処分する手間も省けるのです。

規格外野菜を収穫するツアーは、事前に規格外野菜が収穫できることが告知されています。ただし、規格内品が収穫できるようになっている果物狩りとは別物なので、混同しないようにしましょう。

おやさいクレヨン

規格外野菜の再利用方法の1つに、『おやさいクレヨン』というものがあります。おやさいクレヨンとはその名の通り、野菜を原料にしたクレヨンです。販売しているのはmizuiro株式会社という親子向けの商品開発や広告を手がけている会社。

おやさいクレヨンは米ぬかから抽出された米油をベースにして作られ、野菜パウダーと食用色素で着色されているため、万が一子どもが食べてしまっても大丈夫です。

原材料として使われている野菜は加工品を作る時に廃棄されるものや、規格外野菜のみ。さらに、使われている野菜は青森産に限られていて、日本国内のクレヨン工場で製造されています。

クレヨンは子供が誤飲しやすいものの一つです。小さい子供は何を口にいれるかわかりません。

しかし、おやさいクレヨンは全てが食材由来なので、万が一食べてしまっても体に害が無いのです。おやさいクレヨンは、お母さんたちの心配を見事に解決したクレヨンと言えますね。

家庭に無料でプレゼントされる

タダヤサイドットコムでは、規格外野菜を『わけあり野菜』としてプレゼントしています。

「農家にとって損になるのに、無料であげちゃって良いの?」と思うかもしれませんが、タダで野菜をプレゼントすることは、農家の作った野菜をPRすることにつながります。規格外野菜がチラシや広告の代わりになるのです。

タダヤサイドットコムでは野菜のプレゼントだけでなく、野菜の通販も行っています。タダでプレゼントされた人がその農家が作る野菜を気に入ったら、今度は直接農家から通販で購入するようになるのです。

農家は宣伝してもらうことで固定のお客さんを獲得できて、規格外野菜を販売することが可能になります。消費者は新鮮な野菜が直接家に届くようになる上に、農家からおすすめの野菜情報が届いたりします。

タダヤサイドットコムが行っている規格外野菜のプレゼントは、農家とお客さんの間を取り持つ、お見合いの仲介人のような役割なんですね。

まとめ

スーパーに並んでいる野菜の見た目が全て綺麗なのは、見た目が悪い『規格外野菜』を取り除いているから。規格外野菜は虫食いや傷、形の悪さで弾かれますが、中には規格より少し大きすぎる・小さすぎるという理由だけで捨てられてしまうものもあります。

出荷されずに廃棄される野菜の量は、年間おおよそ200万トン以上。その中には規格外野菜を含まれています。

野菜が不作の年は野菜の値段が一気に高くなるのに、その裏では毎年200トン以上の野菜を捨てられているのは、矛盾を感じるしもったいないと思いますよね。

そんな思いから、企業の間では規格外野菜の再利用が少しずつ行われるようになりました。

規格外野菜カフェ、野菜を使ったクレヨンなどは、規格内の野菜ではなく、『規格外野菜』を活用することによりユーザーの人気を得て、売れているのです。

しかし、それでもまだ年間200トン以上の廃棄野菜の消費には追いつきません。

あなたも「自分なら規格外野菜をどう活用するか」を考えてみてはいかがでしょうか?ひょっとすると、大ヒット商品が生まれるかもしれませんよ♪

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管理人自己紹介

青葉しずく(アラフォー)

青汁の教科書を運営している管理者であり、日本一青汁に詳しい現役栄養士の青葉しずくです。

青汁は現代人に不足がちな野菜の栄養をしっかり補うことのできる数少ない健康飲料。一人でも多くの人に飲んでもらいたく、日々青汁の研究を続ける毎日です。

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